人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのはばかばかしい。重大に扱わなければ危険である──芥川龍之介の随筆・警句集『侏儒の言葉』のなかに出てくるアフォリズム。
マッチは、場合によっては火事に繋がり、色々なものを台無しにしてしまう。しかし、そのマッチを、さも恐ろしいもののように重々しく扱っていたらばかばかしいようにも見える。
これは命についても言えるかもしれない。命は重い。しかし、重大なものとして扱いすぎると(ばかばかしいとまでは言わないにせよ)、たとえば万が一を恐れ過ぎるあまり、外に出ることさえも怖くなる。
ほどよく軽やかに、ほどよく重たく捉えることで生きていける。そんな人生というものの両面性を、「一箱のマッチ」という比喩で捉えた名言。